外部収納の選び方種類や設置の注意点を解説

庭やベランダ、玄関周りの空間を有効活用し、雑然としがちなアウトドア用品やガーデニング用品、季節家電などをすっきりと整理整頓したいと考える方は少なくありません。
しかし、いざ外部収納を検討し始めると、物置、ベンチ収納、ストッカーといった多様な種類が存在することに気づき、それぞれの特徴や用途、そして自宅の環境に最適な選択肢は何か、迷ってしまうこともあるでしょう。
せっかく導入するのですから、見た目の美しさだけでなく、機能性や耐久性、さらには法的な側面まで考慮して、後悔のない選択をしたいものです。
外部収納の種類
物置は多様な物をまとめて収納できる
庭や敷地の片隅に設置されることの多い物置は、その名の通り、様々な物品をまとめて保管するための最も代表的な外部収納と言えます。
一般的に、ガーデニング用品一式、タイヤやシーズンオフの家電、バーベキューセットやキャンプ用品といったかさばるアウトドアグッズ、さらには自転車や農機具まで、比較的大型のものや量が多いものを一箇所に集約して収納するのに適しています。
頑丈な構造を持つものが多く、雨風や盗難から収納物を保護する能力も高いため、大切な道具や頻繁には使わないけれど処分もできないといったアイテムを安全に保管したい場合に最適です。
内部には棚板を設置できるタイプも多く、整理整頓しながら効率的にスペースを活用することが可能です。
ベンチ収納は座る機能と収納を両立する
ガーデンファニチャーとしても機能するベンチ収納は、屋外空間に設置する収納の中でも、特にデザイン性と実用性を兼ね備えたアイテムです。
座面を開閉することで内部にアクセスでき、ガーデニングで使用するスコップや手袋、ジョウロといった小物類、子供用の外遊び用のおもちゃ、玄関周りに置きたい靴のお手入れ用品や傘などを、すっきりと隠して収納することができます。
屋外の景観に馴染む木製のものや、耐久性の高い樹脂製、金属製のものまでデザインは多岐にわたり、庭やテラス、ウッドデッキなどに設置することで、座るという本来の機能に加えて収納スペースを確保できるため、限られたスペースを有効活用したい場合に有効な選択肢となります。
ストッカーは小物の整理や一時保管に便利
ストッカーは、比較的小さなアイテムの整理や、一時的な保管場所として重宝するタイプの外部収納です。
園芸用の土や肥料の袋、掃除用具、ゴミ袋、あるいは屋外で使用する洗剤などのストック品を、雨水や汚れから守りながら保管するのに適しています。
物置のように大型である必要はなく、庭の隅やベランダのちょっとしたスペースに置けるコンパクトなものが多いのが特徴です。
中にはキャスターが付いていて移動が容易なものや、積み重ねて使用できるものもあり、用途に合わせて柔軟に配置を変えられます。
日常的に使用するものを手近な場所に置いておきたい場合や、開封済みの資材などを一時的に保管しておきたい場合に、その利便性を発揮します。

自分に合う外部収納はどう選ぶ?
収納したい物の量と種類でサイズを決める
外部収納を選ぶ上で最も基本的な基準となるのは、収納したいと考えている物の量と種類です。
例えば、庭の手入れ道具や季節ごとの装飾品、アウトドア用品など、量が多くてかさばるものをまとめて収納したい場合は、十分な容量を持つ大型の物置が適しています。
一方で、頻繁に使う園芸用具や子供のおもちゃ、玄関周りの小物など、比較的小さなものを整理したいだけであれば、ベンチ収納や小型のストッカーでも十分かもしれません。
将来的に収納物が増える可能性も考慮し、少し余裕を持ったサイズを選ぶことも、長期的に見て満足度を高めるための賢明な判断と言えるでしょう。
設置場所の広さと形状に合ったタイプを選ぶ
外部収納を設置する場所の広さや形状も、選ぶべきタイプを決定づける重要な要素です。
庭の広さに余裕がある場合は、大型の据え置き型物置を設置することも可能ですが、限られたスペースのベランダや狭い通路脇に設置する場合は、省スペース設計の縦長タイプの物置や、壁面に設置できるもの、あるいはベンチ収納のように多機能なアイテムを選ぶのが現実的です。
また、設置場所が不整地であったり、斜めになっていたりする場合は、安定した設置ができるか、どのような形状の収納が適しているかを慎重に検討する必要があります。
通路を塞いでしまわないか、圧迫感を与えないかといった点も考慮し、周辺環境との調和を図りながら最適な配置場所と収納タイプを見つけることが肝要です。
デザイン性も考慮して住まいの景観に合わせる
外部収納は、単に物を収納する機能だけでなく、住まいの外観、つまり景観の一部となります。
そのため、素材感や色、形状といったデザイン性にも配慮し、周囲の環境や住宅のデザインテイストに調和するものを選ぶことが大切です。
例えば、モダンな住宅にはシャープなデザインの金属製物置が似合いますし、ナチュラルテイストの庭には木目調のベンチ収納や、温かみのある色合いのストッカーがおすすめです。
せっかく設置するのですから、機能性だけでなく、視覚的にも心地よい空間を演出できるような、デザイン性の高いアイテムを選ぶことで、住まい全体の雰囲気をより一層引き立てることができるでしょう。

外部収納を設置する際の注意点
設置場所の日当たりや水はけを確認する
外部収納を設置する場所の日当たりや水はけは、収納物の状態や収納自体の耐久性に大きく影響するため、事前にしっかりと確認しておく必要があります。
日当たりの強すぎる場所は、特に内部に保管したものが紫外線によって劣化したり、夏場に高温になったりする可能性があります。
また、雨水が溜まりやすい低地や水はけの悪い場所は、収納庫の底部分からの浸水や、金属部分のサビ、木製部分の腐食を早める原因となります。
可能であれば、風通しの良い、適度に日陰があり、水が溜まりにくい平坦な場所を選ぶのが理想的ですが、難しい場合は、高床式の収納を選んだり、防水シートを敷くなどの対策を講じることが推奨されます。
耐久性の高い素材を選ぶ
屋外で使用される外部収納は、常に雨、風、紫外線、気温の変化といった厳しい自然環境に晒されるため、耐久性に優れた素材を選ぶことが非常に重要です。
一般的に、ガルバリウム鋼板やアルミ、ステンレスといった金属製のものは、錆びにくく強度が高いため、長期間の使用に耐えうる素材として適しています。
また、近年では、耐候性や耐紫外線性に優れた高耐久性の樹脂素材(ポリプロピレンなど)を使用した製品も多く、これらもメンテナンスの手間が少なく、比較的安価であることから人気があります。
初期費用が多少かかったとしても、耐久性の高い素材を選ぶことで、結果的に買い替えの頻度が減り、長期的なコストパフォーマンスに優れると言えるでしょう。
建築基準法や地域の条例を確認する
外部収納の設置にあたっては、建築基準法や各自治体が定める条例に抵触しないかを確認することが不可欠です。
特に、建物の規模や設置する収納物の大きさによっては、建築物からの離隔距離(一定の距離を保つ必要がある規定)が定められていたり、高さを制限されたりする場合があります。
また、一定規模以上の固定設置を行う場合や、地下に埋設する場合など、基礎工事が必要となるケースでは、建築確認申請が必要となることもあります。
自治体の役所や、専門の会社に相談し、設置予定地に関する法規制や条例を確認しておくことで、後々トラブルになることを未然に防ぐことができます。
まとめ
今回は、外部収納の種類として、多様な物をまとめて収納できる物置、座る機能と収納を両立するベンチ収納、小物の整理に便利な収納をご紹介しました。
そして、自分に合った外部収納を選ぶためには、収納したい物の量や種類、設置場所の広さや形状、さらには住まいのデザイン性といった要素を考慮することが重要であることを解説しました。
加えて、設置場所の日当たりや水はけの確認、耐久性の高い素材選び、そして建築基準法や地域の条例の確認といった、設置にあたっての注意点も詳しく説明いたしました。
これらの情報を参考に、機能性、デザイン性、そして安全性に優れた外部収納を見つけ、快適で機能的な住まいづくりにお役立てください。
