マイホームのガレージ選び!ビルトインガレージとインナーガレージの違いとは?

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今回は、マイホームを建てる際の駐車スペース確保、特にガレージのタイプ選びについて解説します。
愛車を大切にしたい方にとって、ビルトインガレージとインナーガレージのどちらを選ぶかは、快適なカーライフを送る上で重要なポイントです。
両者の違い、メリット・デメリット、そして賢い選択のための基準を説明します。

 

ビルトインガレージとインナーガレージの違い

 

定義と構造の違い

 

ビルトインガレージとインナーガレージは、どちらも住宅内に設置された駐車スペースを指しますが、厳密な定義の違いは曖昧です。
一般的には、家の一部として設計され、建築計画の段階から一体的に考えられたガレージを「ビルトインガレージ」と呼び、住宅の建築後に後付けされたり、構造上やや独立した位置にある駐車スペースを「インナーガレージ」と呼ぶ傾向があります。
例えば、家の基礎と一体になって建設され、玄関ホールから直接アクセスできるガレージがビルトインガレージの典型的な例です。
一方、既存の住宅に増築された、もしくは離れとして建てられたガレージはインナーガレージに該当します。
構造的には、両者とも壁やシャッターで囲まれ、天候や外部からの視線から愛車を保護する役割を果たします。
ビルトインガレージの場合、壁材や屋根材は住宅本体と統一感を出すことが多く、デザイン性の高い仕上げが可能です。
インナーガレージでは、既存の住宅のデザインとの調和を考慮した設計が必要となるでしょう。

 

建築基準法上の違い

 

建築基準法上、ビルトインガレージとインナーガレージに明確な区別はありません。
どちらの場合も、建築基準法に則って耐震性、耐火性、換気などの基準を満たす必要があります。
具体的には、耐火性能に関する規定や、ガレージ内の換気設備に関する規定などが該当します。
例えば、ガレージの壁に使用する材料や、換気扇の能力、設置場所などは、建築基準法や地域の条例によって細かく規定されています。
ただし、ガレージの大きさ(延床面積)、位置(接道状況)、構造(鉄骨造か木造かなど)によって、建築確認申請の際に必要な書類や審査内容が異なる場合があります。
例えば、ガレージの面積が一定以上になると、より厳格な耐震基準が適用される可能性があります。
具体的な要件は、地域の建築基準法や担当する建築士、あるいは市町村の建築指導課などに確認することが重要です。

 

設置場所による違い

 

ビルトインガレージは、住宅設計の段階から考慮されるため、家の間取りに自然に溶け込むように配置されます。
例えば、リビングの隣に配置することで、家事動線と車の出し入れをスムーズにすることができます。
また、玄関ホールから直接アクセスできる設計も可能です。
一方、インナーガレージは、既存住宅への後付けや、家の構造上、やや独立した位置に設置されることも多いです。
例えば、家の片隅に増築されたガレージや、庭の一角に別棟として建てられたガレージなどが該当します。
設置場所によって、居住空間への影響や、ガレージへのアクセス方法(通路の確保、車の動線など)、そして景観への影響などが大きく異なってきます。
例えば、インナーガレージを庭に設置する場合、庭のレイアウトや植栽計画にも影響を与えます。

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ビルトインガレージとインナーガレージのメリット

 

ビルトインガレージのメリット

 

ビルトインガレージは、住宅と一体的に設計されるため、デザインや機能性を住宅全体と調和させることができます。
例えば、外壁の色や素材を統一することで、住宅全体のデザイン性を高めることができます。
また、ガレージを居住空間の延長として捉え、趣味の部屋(例えば、バイクの整備スペースや模型製作室)、収納スペース(季節家電やアウトドア用品の保管)、あるいはホームシアターとして活用することも容易です。
さらに、建築計画の段階から考慮されるため、防犯性(シャッターの強度、防犯センサーの設置など)、換気(排気ガスの排出、湿気対策)、遮音性(道路騒音対策など)などの対策を万全に施すことが可能です。
容積率の緩和措置の対象となるケースもあり、より広い居住空間を確保できる可能性もあります。
これは、地域や自治体の条例によって異なりますが、ガレージ部分を居住面積に含めることが認められる場合もあります。

 

インナーガレージのメリット

 

インナーガレージは、既存住宅への後付けも可能なため、既に住宅を所有している場合でも導入しやすい点がメリットです。
ビルトインガレージに比べて、建築コストを抑えられる可能性があります。
ただし、既存住宅の構造や地盤状況によっては、増築が困難な場合もあります。
また、設置場所の自由度が高く、住宅の構造や土地条件に合わせた柔軟な設計が可能です。
例えば、狭小地でも、工夫次第で設置できる可能性があります。
既存の建物にあまり影響を与えずに、独立した空間として構築できる点も魅力です。

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最適なガレージ選択基準と注意点

 

ライフスタイルに合わせた選択

 

ガレージの選択は、まず自分のライフスタイルを考慮することが重要です。
愛車を趣味として楽しみたい方、例えばクラシックカーのレストアやバイクのメンテナンスを趣味とする方は、広々とした作業スペースを確保できるガレージが必要となるでしょう。
ガレージをワークスペースとして活用したい方、例えば、在宅ワークで使用する作業スペースとしてガレージを活用したい、あるいは小さなアトリエとして使いたい方は、電源や照明設備、そして適切な換気システムの設置を検討する必要があります。
それぞれのニーズに合ったガレージのタイプ、広さ(駐車できる車の台数、作業スペースの広さなど)、機能(電源、照明、換気設備、収納スペースなど)を選びましょう。
家族構成や将来的なライフスタイルの変化(子供の成長、家族構成の変化など)も考慮に入れて、計画を立てることが大切です。

 

予算と土地条件の考慮

 

ビルトインガレージ、インナーガレージ共に、建築コストは高額になります。
土地の広さや形状(接道状況、隣家との距離など)、そして予算を事前にしっかりと把握し、現実的な範囲で計画を立てましょう。
特にビルトインガレージは、設計段階からの計画が必要となるため、予算と土地条件を考慮した上で、計画を進める必要があります。
事前に費用対効果を比較検討することが重要です。
また、土地の形状によっては、ガレージの設計に制約が生じる可能性があるため、設計段階で建築士と十分に相談することが大切です。

 

防犯性と維持管理の容易さ

 

ガレージは、愛車を守るための重要な空間です。
防犯対策として、頑丈なシャッター(電動シャッター、二重シャッターなど)、防犯カメラ、センサーライト、警報システムなどの設置を検討しましょう。
また、維持管理の容易さも考慮する必要があります。
定期的な清掃やメンテナンスが容易な素材(コンクリート、タイルなど)や構造を選ぶことが重要です。
排気ガスや湿気対策のための換気システム(換気扇、排気ダクトなど)も忘れず検討しましょう。
また、ガレージ内の温度変化による影響を軽減するため、断熱材の使用も検討すると良いでしょう。

 

まとめ

 

ビルトインガレージとインナーガレージは、どちらも愛車を守る上で優れた選択肢ですが、設計段階からの計画が必要なビルトインガレージと、既存住宅への後付けも可能なインナーガレージでは、費用、設計の自由度、居住空間への影響などに違いがあります。
自分のライフスタイル、予算、土地条件、そして家族構成などを総合的に判断し、最適なガレージを選びましょう。
特に、騒音(道路騒音、車のエンジン音など)や排気ガス対策、防犯対策、維持管理の容易さといった点も考慮することが、快適なカーライフを送る上で重要です。
それぞれのメリット・デメリットを比較検討し、将来を見据えた計画を立てることが、後悔のない家づくりにつながります。
例えば、将来、愛車を乗り換える可能性や、趣味が変わる可能性なども考慮に入れておくことが大切です。

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