降り積もる雪はその美しさとは裏腹に、私たちの住まいや暮らしに大きな影響を与えることがあります。
予期せぬ大雪によって家が損壊するリスクや、日常生活が困難になる事態は決して他人事ではありません。
特に積雪の多い地域はもちろん、近年ではこれまで雪の少なかった地域でも記録的な降雪に見舞われるケースが増えています。
大切な家族が安全に、そして快適に暮らせる家であるために、雪への備えは欠かせないものと言えるでしょう。
家は雪対策をなぜ行うべきか
家の損壊リスクを減らす
雪は見た目以上に重く、屋根や建物に大きな負荷をかけます。
屋根に積もった雪の重みが原因で、家が軋んだり、最悪の場合には家屋が損壊する危険性もあります。
例えば、湿った重い雪が積もると、その重みは数10kg/㎡にも達することがあります。
また、屋根から滑り落ちる「落雪」が、車庫や物置、さらには隣家に損害を与える可能性も考慮しなければなりません。
屋根の端にできる「雪庇(せっぴ)」の落下なども、予期せぬ被害の原因となり得ます。
これらを防ぐためには、雪の重みに耐えうる構造や、落雪を適切に管理する対策が不可欠です。
人身事故や生活妨害を防ぐ
雪対策を怠ると、人身事故に繋がるリスクも高まります。
屋根からの落雪は、落下地点に人がいた場合、重大な被害をもたらす可能性があります。
頭部への直撃などは、命に関わる危険な状況を招きかねません。
また、玄関や出入口が雪で塞がれてしまうと、家からの出入りが困難になり、緊急時の避難が遅れたり、日常生活を送る上で大きな妨げとなったりします。
地域によっては、道路が通行不能になるなど、社会生活全体に影響が出ることもあります。
孤立による物資不足や、緊急車両の通行阻害といった事態も起こり得ます。

雪対策に役立つ設備とは
車や玄関を守る設備
車を雪から守るためには、積雪に耐えられる強度を持つカーポートや車庫の設置が有効です。
積雪量に応じた耐荷重を持つ製品を選ぶことが大切です。
これらは車の雪下ろし作業の負担を軽減するだけでなく、雪の吹き込みを防ぐサイドパネル付きのものを選ぶとさらに安心です。
また、除雪用具や冬用レジャー用品などを収納できる物置も、雪対策に役立ちます。
玄関前への雪の堆積や、冷たい外気の侵入を防ぐ風除室は、快適な出入りをサポートします。
さらに、1階の窓ガラスを落雪による破損から守るために、雪囲いを設置することも有効な手段です。
積雪を溶かす設備
雪を物理的にどかすだけでなく、溶かしてしまう設備も雪国では重宝されます。
融雪槽は、積もった雪を投入することで熱源により自動的に溶かす装置です。
庭や駐車場などに設置でき、大量の雪を処分する手間を省くのに役立ちます。
また、玄関前や駐車場などの路面に埋め込まれたパイプに温水を通したり、電熱線を利用したりして雪を溶かすロードヒーティングは、冬場の除雪作業を大幅に軽減します。
屋根の雪を溶かす融雪式住宅も、積雪対策の有効な選択肢の一つです。

雪国での家づくりで注意すべき点とは
除雪スペースを確保する
雪が降った際に除雪した雪を一時的に置く場所を、敷地内に計画的に確保しておくことが重要です。
除雪した雪を置く場所がないと、雪を運搬したり、専門業者に排雪を依頼したりする必要が生じ、肉体的・金銭的な負担が増大します。
庭の一部やカーポートの脇など、あらかじめ雪の置き場として想定できるスペースを設けておくと、雪との付き合いが格段に楽になります。
雪の置き場がない場合、近隣への迷惑や公道への雪出しによる通行妨害も懸念されます。
地域の気候に合わせた家づくり
家を建てる地域の積雪量、雪質、積もり方、風向きといった気候特性を理解し、それに合わせた家づくりを行うことが重要です。
雪の重さに耐えうる頑丈な構造(例えば、積雪に強い屋根形状や、太い柱など)はもちろん、断熱性や気密性を高めることも、雪国での快適な暮らしには不可欠です。
地域の気候風土を熟知した地元業者や、積雪地での建築実績が豊富なハウスメーカーに相談することが、後々の後悔を防ぐ鍵となります。
快適な室内環境を整える
雪国では、外気温が低く、家の中から熱が逃げやすいため、快適な室内環境を維持するためには断熱性と気密性が非常に重要になります。
窓ガラスを複層ガラスにする、断熱材を適切に施す、気密性を高める工夫をするなどにより、冷たい外気の侵入を防ぎ、室内の暖かさを保つことができます。
これにより、冷え込みの厳しい冬でも快適に過ごせるだけでなく、暖房費の節約にも繋がります。
雪対策に備えるべき道具とは
雪をどかす道具
日常的な除雪作業には、様々な種類の道具が役立ちます。
軽い雪を効率的に掃く「雪ハネ」、少量の雪や狭い場所に向く「スノースコップ」、雪を押して進む「プッシャー」など、雪質や量に応じて使い分けるのが賢明です。
硬い雪や氷を砕くには「角スコップ」や「鋭角スコップ」が適しています。
大量の雪を運ぶ際には、雪をすくって運ぶのに適した「スノーダンプ」が有効です。
雪を溶かす道具
積雪を速やかに溶かしたり、凍結を防いだりするための薬剤や道具も用意しておきましょう。
融雪剤や凍結防止剤は、塩化カルシウムなどを主成分とし、水の凝固点を下げて雪を溶かします。
ただし、金属部分の錆や植物への影響に注意が必要です。
また、玄関先や階段などに敷いて雪を溶かす「融雪マット」は、凍結による転倒事故を防ぐのに役立ちます。
除雪を助ける機器
広範囲の除雪や、重労働となる作業を軽減したい場合は、除雪機が有効な選択肢となります。
雪の量や質、除雪する面積などを考慮して、適切な機種を選ぶことが大切です。
除雪機があれば、手作業では時間のかかる除雪作業も効率的に行え、雪による生活への影響を最小限に抑えることができます。
まとめ
雪対策は、単に雪をどかすだけでなく、住まいの安全を守り、日々の暮らしを円滑に保つために不可欠です。
家の損壊リスクを減らし、人身事故や生活妨害を防ぐためには、カーポートや風除室といった設備、そして地域の気候に合わせた家づくりが重要となります。
また、雪をどかすためのスコップや除雪機、雪を溶かすための融雪剤など、適切な道具を早期に準備しておくことも大切です。
万全の備えで、厳しい冬を安心して乗り越えましょう。