家づくりを検討する際、費用の目安は多くの方が関心を寄せるポイントです。
中でも、多くの住宅で採用されている木造住宅の価格について、事前に把握しておきたいというニーズは高いでしょう。
今回は、木造住宅の坪単価や総額の目安、価格を左右する要因、そして予算に応じたプランや費用を抑えるための工夫について、最新の情報も交えながら解説していきます。
家づくりの計画を立てる上で、ぜひ参考にしてください。
木造住宅の価格
全国平均の坪単価
木造住宅の建築費を把握する上で、坪単価は一つの指標となります。
坪単価とは、建物の1坪(約3.3平方メートル)あたりの建築費を示したものです。
2024年の全国平均では、木造住宅の坪単価は約71.1万円という調査結果があります。
この数値は、以前の調査では約56.1万円(2020年)でしたので、近年、建築費全体が上昇傾向にあることがうかがえます。
坪単価を把握することで、おおよその建築費の目安を知ることができます。
他構造との比較
木造住宅は、他の構造の住宅と比較すると、一般的に価格を抑えやすい傾向にあります。
例えば、鉄筋コンクリート造(RC造)や鉄骨造の住宅の坪単価が100万円を超える場合があるのに対し、木造住宅の坪単価は70万円台前半が全国平均となっています。
これは、木材が比較的軽量であるため基礎工事の手間が少なく、また、鉄骨のような特殊な下処理が不要な場合が多いことが理由として挙げられます。
同じ仕様や設備で比較した場合、木造はコスト面で有利になるのが特徴です。
総額の目安
木造住宅を建てる際の総額の目安としては、延床面積38坪(約125平方メートル)の住宅で、総額約2,800万円程度が挙げられます。
この金額には、建物本体の工事費だけでなく、外構工事や水道・ガスの引き込み工事といった別途工事費、登記費用や各種手数料などの諸費用も含まれています。
坪単価は主に建物本体の工事費を示すことが多いため、総額を検討する際には、これらの付帯費用も考慮に入れることが大切です。

木造住宅の価格を決める要素
建築費の内訳
住宅の建築費は、主に「本体工事費」「別途工事費」「諸費用」の3つに分けられます。
本体工事費は、建物そのものを建てるための費用で、一般的に坪単価として表示されるのはこの部分です。
別途工事費は、外構(庭や駐車場)、給排水・ガス・電気の引き込み工事など、建物本体以外にかかる費用で、全体の約2割を占めると言われます。
諸費用は、登記費用、印紙代、ローン手数料、火災保険料、場合によっては上棟式などの費用で、総額の数パーセント程度となります。
地域による価格差
木造住宅の建築費は、地域によっても差が見られます。
坪単価で比較すると、木造住宅の建築費が全国平均よりも高くなる地域がある一方、比較的安価な地域も存在します。
例えば、ある調査では、長野県や島根県、山梨県などが全国平均よりも高い坪単価を示していたのに対し、埼玉県や大阪府、沖縄県などは平均よりも低い水準でした。
これは、地域ごとの建材の入手しやすさ、人件費、輸送コスト、さらにはその土地の需要などが価格に影響を与えるためです。
広さや仕様による変動
住宅の価格は、その広さや仕様によって大きく変動します。
同じ坪単価であっても、建物の延床面積が広ければ総額は高くなります。
また、仕様面では、使用する建材の種類、断熱材の性能、窓のサッシのグレード、キッチンやバスルーム、トイレなどの設備機器のメーカーや機能、デザイン性など、こだわるほど費用は上がります。
逆に、標準仕様の建材や設備を選んだり、デザインをシンプルにしたりすることで、費用を抑えることが可能です。

予算別木造住宅の価格
1000万円台の家
建築費1000万円台の予算では、一般的に「ローコスト住宅」と呼ばれる、コストを抑えた家づくりが中心となります。
この価格帯では、敷地面積や建物の形状をシンプルにする(正方形や長方形に近い総二階建てなど)、部屋数を必要最低限にする、設備は標準仕様のものを選ぶ、といった工夫が凝らされます。
延床面積は27坪から33坪程度が目安となることが多いでしょう。
限られた予算の中でも、工夫次第で満足のいく住まいを実現できる可能性があります。
2000万円台の家
建築費2000万円台となると、全国平均よりはややコンパクトな予算ですが、部分的に住まいのグレードアップを図ることが可能になります。
例えば、外壁の仕上げ材にこだわったり、キッチンやバスルームなどの水回り設備を最新式のものにしたり、窓の数を増やしたりといった選択肢が出てきます。
節約を意識すれば、浴室乾燥機や書斎といった、あると便利な設備を導入することも視野に入ります。
延床面積は33坪から37坪程度が目安になるでしょう。
3000万円台の家
建築費3000万円台は、木造一戸建ての全国平均に近い価格帯であり、比較的自由度の高い家づくりが期待できる予算です。
特殊な形状の建物や、広々としたリビング空間の実現、水回りの設備や配置にこだわること、床暖房の設置、さらには外構や内外装の建材・仕上げ材にまでこだわりを持つことも可能になります。
延床面積は37坪から40坪程度が目安となるでしょう。
理想の住まいを形にしやすく、満足度の高い選択肢となります。
木造住宅の価格を抑える方法
デザインや間取り
家を建てる際の費用を抑えるには、まずデザインと間取りの工夫が重要です。
建物の形状が複雑で凹凸が多いほど、工事工程や材料が増え、コストがかさみます。
そのため、できるだけ正方形や長方形に近いシンプルな形を目指すことが、費用を抑える近道となります。
また、同じ総床面積であっても、部屋数を多くすると、壁やドアが増えるため建築費用が高くなります。
ライフスタイルの変化も考慮し、本当に必要な部屋数を慎重に検討しましょう。
部屋数と水回り
部屋数を絞ることは、建築費を抑える上で直接的な効果があります。
間仕切り壁やドアの数を減らすことで、材料費や工事費の削減につながります。
また、キッチン、浴室、トイレなどの水回りを一箇所に集約して配置することも、費用節約の有効な手段です。
水回りが分散すると、配管工事が複雑になり、それに伴う費用も増加する傾向があります。
設計段階で水回りの配置を工夫することで、コストを抑えることができます。
建材や設備
建材や設備選びも、価格に大きく影響します。
例えば、和室は特殊な建具や材料が必要となることが多く、洋室に比べてコストが高くなる傾向があります。
もし費用を抑えたい場合は、本格的な和室ではなく、リビングの一角に畳スペースを設けるといった方法も検討できます。
また、キッチンやバスルームなどの設備機器は、標準仕様のものを選ぶことで、大幅なコスト削減につながります。
グレードの高い設備や、オプションを追加するほど費用は上昇します。
まとめ
木造住宅の価格は、全国平均の坪単価、構造による違い、地域差、そして建物本体の工事費だけでなく、外構や諸費用といった内訳によって決まります。
予算に応じて、1000万円台のローコスト住宅から3000万円台の自由度の高い家まで、様々な選択肢が存在します。
費用を抑えるためには、シンプルなデザインや間取りの工夫、水回りの集約、建材や設備の厳選などが有効な手段です。
家づくりは、こうした価格の要因を理解し、ご自身の予算と希望を照らし合わせながら計画を進めることが大切です。